南北海道大会は5日、3試合が行われた。準々決勝では昨春全道王者の駒大苫小牧が苫小牧中央を3-2で下した。エース右腕、北嶋洸太(3年)が、ライバルのプロ注目左腕、根本悠楓(はるか=3年)との投げ合いを制し、4強一番乗りを果たした。立命館慶祥、札幌第一は1回戦を突破した。

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苫小牧中央の最速146キロ左腕、根本の夏が終わった。“4度目の正直”を期して臨んだ一戦。自身のソロ本塁打を含む2点先行も、4回以降に3失点で完投負け。「(昨年)3度負けていた相手に絶対勝ってやろうって。自分の死球もあって負けたのは悔いが残る」。8回に死球で出した走者に決勝のホームを踏まれた。

昨春全道王者のエース北嶋との投げ合い。この試合まで4戦28イニング無失点の道内NO・1左腕には、この日もプロ9球団13人のスカウトが集結。直球と変化球を織り交ぜ、8回15奪三振。1学年下で昨秋からバッテリーを組む笹原とは登下校の35分間に投球談義に明け暮れた。自らの投球を何とか受けようと練習する後輩の姿も目に焼き付いていた。「やり残したことはない」。3年前に全国中学軟式野球で世代NO・1の称号をつかんだ左腕は、初の道大会の舞台でやり切った。

「勝てる投手が目標」。今後の課題を挙げた言葉にはライバルの存在が見え隠れした。昨年から4戦連続で互いに完投した北嶋の存在について問われ「同い年ですごい投手。いつも良い刺激をもらっていた。優勝してもらいたい」。プロ志望の左腕にとって、感謝を抱く仲間、成長させてくれる好敵手の存在を感じる夏でもあった。【浅水友輝】

▽競り負けた苫小牧中央の高橋主将 言葉が出てこないけど、ここまでやった。負けて悔いは残るが、やりきった。