専大松戸が今夏甲子園出場の市船橋を延長で制し、20年以来2度目の関東大会出場を決めた。

11回裏、最後の打者を二ゴロに打ち取ると、先発の平野大地投手(2年)は雄たけびを上げてガッツポーズ。ベンチからは、まるで優勝したかのように選手たちがマウンドへ走りだした。

8回に3点差を追いつかれ、球場が市船橋ムードになった。それをはね返したのは中山凱内野手(1年)。4-4で迎えた11回表2死一、二塁で、「自分の世界に入っていた」と試合後目を潤ませながら振り返った打席で、レフト線を破る決勝打を放った。

1点リードをもらい、マウンドに向かった平野は冷静だった。先頭打者に三塁打を打たれるも「中学時代のキャッチャー経験が役に立った」と後続3人をゴロに打ち取った。

気温が30度近くまで上がり、季節外れの暑さの中、試合は3時間26分にも及ぶ熱戦となった。平野は「ここまで来たら自分が最後までという気持ちだった」と、延長11回を10安打4失点に抑えた。8回には打者一巡の猛追を受け、さらに味方の負傷交代なども重なった。同点に追いつかれ、なおもピンチで粘り強く投げ抜き、逆転は許さなかった。

平野は前回登板の木更津総合戦が初完投。この日は自身最多173球を暑さに負けず投げきった。「スタンドに3年生も来てくれていた。仲間を信じた」と振り返った。持丸修一監督(74)は「平野で負けならいいという思いだった」と選手への信頼を口にした。

専大松戸は秋季県大会では初の決勝進出を果たした。【星夏穂】