金光大阪が難敵を下してベスト4入りを果たした。キャリー・パトリック・波也斗投手(3年)が1安打完封した。

初回に2四球、2回に唯一の安打を許したが、以降はリズムよくアウトを重ねた。最速138キロの伸びのある直球とスライダー、スプリットを低く投げ込んだ。9回にも2四球を出したが、最後は2連続三振でガッツポーズを繰り出した。

「秋も同じベスト8で負けたので同じミスは繰り返したくなかった。今日はベンチ、スタンドを含めて部員115人全員で1つのアウトを喜び合うことを意識しました」

昨秋は準々決勝で関西創価に0-1の完投負け。その悔しさをバネに冬を乗り越え、公式戦初完封を果たした。

父が米国人、母が日本人で兵庫県で生まれ育った。幼少期からサッカーや水泳で体を動かし、50メートル走5秒9と身体能力が高い。昨春の甲子園では外野手としてベスト8入りに貢献した。

最上級生になってからはエース&主軸を担う。横井一裕監督(48)「すごく純粋でシャイ。すぐにあきらめて、すぐに泣いて、という子だったんですが、すごく成長しましたね。今日は落ち着いていた。エースらしい投球をしてくれました」と目を細めた。

この日は母の日。キャリーは4人きょうだいの一番上で「お母さんは自分にたくさん時間をかけてくれた。今日、手紙を書きます」と感謝した。