大分大会が開幕し、開幕試合で試練を乗り越えた大分豊府が竹田を4-2で破った。山本敏博監督が体調不良のため不在で、吉良耕一部長(57)代役で指揮。前日7日に正遊撃手が左手小指を骨折する緊急事態も、ナイン一丸でカバーした。12日の2回戦で、優勝候補のシード校明豊に立ち向かう。

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最高気温34度と蒸し暑い大分で、代役で大分豊府を指揮した吉良部長は冷や汗をかいていた。3点リードの9回裏。県勢1番星まであとアウト3つながら、四球と連打で無死満塁のピンチ。犠飛で2点差とされ、なお1死一、二塁。「(山本)監督もテレビで見ていると思うので冷や冷やしてたんじゃないですか? 私も、もう冷や冷やで…」。

8回から2番手で登板していた1年生右腕、坂田大輝内野手に身ぶり手ぶりで声を飛ばし続けた。後続を右飛、最後は見逃し三振で締めると、吉良部長は手をたたいて、ナインと喜びを分かち合った。「坂田もかなり緊張していたけど、よく投げてくれた。選手もよく粘ってくれた」。初回2死から奪った4点を最後まで守り抜いた選手たちに目尻を下げた。

非常事態だった。試合前日の7日。正遊撃手の1年生が左手の小指を骨折。学校行事の「クラスマッチ」のドッジボールでの負傷だった。練習前に選手間で緊急ミーティングを開き、シートの変更を練った。一夜明けた開幕試合で、先発メンバーは捕手と中堅手以外は背番号が守備位置と異なった。背番号7で一塁に就いた玉田一路(いちろ)外野手(3年)は4回に一塁側ファウルゾーンでフェンスギリギリの飛球を好捕。「チームの緊急事態で緊張もあった。でも、みんなでカバーし合って、チーム一丸で守り抜くことができた」と誇らしげだった。

監督不在、不運なアクシデントを乗り越えて初戦を突破し、次戦は昨夏代表のV候補の明豊と相まみえる。吉良部長は「(山本)監督は明日復帰します。バトンはつなぎました。休養も万全だと思うので(明豊に)勝ってくれるでしょう」。玉田は「監督が戻ってくる前に負けるわけにはいかなかった。(明豊にも)絶対に勝ちます。そのために練習してきた。開幕勝って勢いはある」。上げ潮ムードで強豪私学に立ち向かう。【佐藤究】

 

◆大分豊府スタメン選手(カッコ内は背番号と学年)

1番 右翼 松本昊(16番 2年)

2番 遊撃 和田拓夢(4番 3年)

3番 捕手 渡辺賢人(2番 3年)

4番 三塁 坂田大輝(3番 1年)

5番 左翼 坪根尚史郎(19番 2年)

6番 一塁 玉田一路(7番 3年)

7番 中堅 石田賀楠(8番 3年)

8番 投手 北川颯人(10番 2年)

9番 二塁 佐藤侑峨(5番 1年)

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