<高校野球栃木大会:白鴎大足利6-2宇都宮南>◇25日◇決勝

 白鴎大足利が、29年ぶり3回目の甲子園出場をつかんだ。「昨年の雪辱を果たせました」。エース新藤将照(3年)が安堵(あんど)の表情を浮かべた。昨年は2年生でエースを任されながら1回戦で敗退した。その悔しさを晴らす甲子園切符となった。

 決勝は2回までに2点を奪われたが、冷静だった。決め球のスライダーが狙われていると感じ、3回からは最速140キロの直球を中心にした力の投球に切り替えた。それ以降を3安打無失点に抑え、勝利を呼び込んだ。「絶対勝とうとすると気負いすぎる。いつも通りやれた」と振り返った。

 昨年の悔しさを胸に冬場は階段特訓に明け暮れた。同校出身の藤田慎二監督(29)も「あれは恐怖です」と語るほどつらい伝統メニュー。学校近くにある織姫神社の階段229段を10往復、中段からのダッシュ15本を毎日繰り返した。太ももは57センチになり、球速も4キロ増し目標の140キロに達した。新藤は1人で全6試合、54イニングを6失点で投げ抜いた。「今日みたいな気迫のピッチングで甲子園に挑みたい」。自信をつけたエースが晴れ舞台での活躍を誓った。