選手会長が気合の攻守で3連勝に貢献した。
阪神梅野隆太郎捕手(27)が1点を先制した直後の2回2死三塁で貴重な5号2ランを放った。6回先頭では二塁打で追加点の口火。6回終了時点でリードしていれば今季負けなしのデータを守った。また、守備では先発小野泰己投手(22)の6勝目を好リードでアシスト。絶好調福留孝介外野手(41)を休養させた試合でも勢いは止まらず、首位広島のマジック点灯をまたまた阻止した。
敵地でもびっしりと黄色が埋める左翼席が揺れた。2回、1点を先制してなおも無死一、二塁。たたみかけたいところで俊介は三ゴロ併殺。2死三塁となり、打席の梅野も2球で追い込まれた。だが3球目、真ん中に甘く入った直球を逃さなかった。左翼席へ突き刺す5号2ラン。今季初対戦となったDeNAの左腕浜口を打ち砕いた。
「久々の感触でした。チェンジアップも頭にあった中で、ストレートを引っ張れた。雰囲気をがらっと変えられたのはよかったです」
会心の一撃。その感触をあらためてかみしめるように、両手をたたきながら本塁を踏んだ。この1発は今季横浜でのチーム13本目の本塁打。甲子園の12本塁打を上回り、球場別では最多となった。2点差に詰め寄られた6回は、先頭でエスコバーの155キロを打ち返し、左翼への二塁打。ビッグイニングの足場を築いた。チームは今季、6回終了時点でリードを奪えば37勝1分け。データが裏付ける重要な場面で、流れをぐっと引き寄せる一打となった。マスクをかぶっても貢献度は随一。小野の自己最長となる7回2/3、自己最多タイの9三振の好投を引き出した。
攻守で勝利を演出した梅野の手には、ファンへの強い思いがこもる。6月、大阪北部で発生した地震の被災者支援の募金活動を選手会長として発案し、実行した。梅野も募金箱の後ろに立ち、ファンとの握手に応じながら募金を呼び掛けた。募金を終え、列から離れた虎党が会話の中でこぼした。「マメかな、すごかったね」。グラウンドでファンの声援に後押しされているからこそ、相手に手のマメが伝わるほど握手が丁寧になる。その手で虎党にもっと大きな夢を見せる。
今季初の3カード連続勝ち越しで、広島のマジック点灯をまたしても阻止した。「キャッチャーとして数多く出してもらっている以上、チームが借金を抱えている中で、何か自分が変えていかないといけない。守備でも攻撃でも、いい意味で感情を出していけたら」。気迫あふれる頼もしい選手会長が、虎をさらなる上昇気流に乗せる。【吉見元太】
▼阪神は今季、6回終了時にリードしていた38試合で37勝1分けの勝率10割を誇る。同様の展開で昨季終盤も、9月9日DeNA戦から閉幕までの9試合を7勝2分けでシーズンを終えていた。



