オリックスから4位指名を受けたトヨタ自動車・富山凌雅投手(21)が、愛知県豊田市内の同社硬式野球部クラブハウスで会見し、プロ入りの夢をかなえた喜びを語った。「本当にうれしいです。野球を教えてくれた祖父に感謝を伝えたい」と笑顔を見せた。

富山は和歌山県出身。14人きょうだいの6番目の三男という大家族で、母美薫さんが女手ひとつで育てた。

九州国際大付では14、15年の夏の甲子園に出場し、15年はベスト8入り。高校卒業時もプロ志望届を出したが指名漏れし、トヨタ自動車に進んだ。社会人で腕を磨き、昨年の日本選手権の準決勝で8回無失点の好投をするなどで優勝に貢献。最速147キロのストレート、スライダーなどの変化球を操り、内角を強気に攻める投球が魅力の左腕。左投手が少ないオリックスではチャンスも多そうだ。

プロでは「オリックスは明るいチームという印象。開幕1軍に入ってチャンスがあれば結果を残して信頼されるような投手になりたい。藤川さん(阪神)のような火の玉ストレートで空振りの取れる選手が目標」と目を輝かせた。苦労をかけた母に恩返しするためにも、大輪の花を咲かせるつもりだ。