ぽっかり空いたポジションを、虎視眈々(たんたん)と狙っている。

西武金子一輝内野手(23)は「二塁は外崎さんと思われている。覆したい」と力強く話した。不動の二塁手・浅村が抜け、後釜を巡る争いが始まる。6年目を迎える金子一も名乗りを上げた。

18年シーズンを転機の年と言えるようにする。5月、念願の1軍デビュー。出場は6試合にとどまったが、14打数5安打、打率3割5分7厘。プロ初安打となる初本塁打も放った。契約更改で年俸100万円アップを勝ち取ると「いい状態なら結果を残せると自信になりました。今年の気持ちを忘れずに、来年に取り組みたいです」と誓った。打撃が課題だったが、自主トレで師事する秋山の「自分と向き合う時間を増やせ」という助言もあり、ブレークの兆しを見せた1年だった。

課題も見つかった。5月30日の出場を最後に2軍落ち。故障で再調整となっていた主砲の中村と入れ替わった。調子よりも、チーム事情の面が強かった。「状態は悪くありませんでした。すぐ戻れると思っていました」。だが、そのまま声がかかることなく、シーズン終了を迎えた。降格直後、調子を崩したことも一因だ。「1軍にいた20日間で、体重が75キロから4キロも減ってました」と打ち明けた。

もともと、やせやすい体質ではある。初めての1軍生活が拍車を掛けた。遠征で練習量が落ち、思うようなトレーニングも積めなかった。「遠征先のホテルにウエートルームがあることも知りませんでした」。ほろ苦い経験となったが、全てが勉強になった。

このオフは意識的に食事量を増やし、1年間、1軍で戦える体づくりにも励んでいる。「今年(18年)以上にチームに貢献できるように。まだまだです」。19年、チャンスをつかめるか。金子一に注目したい。【西武担当 古川真弥】