オリックス榊原翼投手(20)の自身初の開幕ローテーション入りが17日、有力となった。広島とのオープン戦に先発。最速150キロの直球を軸にスライダーとフォークで広島打線を封じた。

5回までノーヒット投球。7回を1安打無失点でマウンドを下りた。「去年の秋からやってきたことが今日は発揮できた」。オフから磨いてきた直球で空振りをとるなど、7三振を奪い、首脳陣へのアピールに成功した。

メンタルの強さもある。6回に先頭安部にこの日初安打を許し、犠打と四球で1死一、二塁のピンチを招いた。しかし右腕は逃げなかった。好打者の田中広、鈴木を直球でフライに打ちとり、窮地を脱した。「田中さん、(鈴木)誠也さんを真っすぐで打ちとれたのは自信になります」と手応えをつかんだ。

プロ入りから著しい成長を遂げている。16年に浦和学院から育成ドラフト2位で入団。昨年の開幕直前に支配下登録を勝ち取った。昨季は5試合に登板し、勝ち星を挙げられなかったが、シーズン終盤には先発で起用され、今年の飛躍が期待されている。西村監督は「まだ決めていない」と開幕ローテ当確は見送ったが、「今日の投球を見ると近いところになっている」と高く評価。先発陣は山岡、東明、アルバース、山本、松葉が決定的で、残り1枠を小林らと争っている。昨オフに金子、西が抜けたが、育成からはい上がった右腕が若返りの象徴になる。【古財稜明】

◆榊原翼(さかきばら・つばさ)1998年(平10)8月25日生まれ、千葉県出身。浦和学院から16年育成ドラフト2位でオリックスに入団。昨年3月19日に支配下登録された。昨季は5試合に登板し、0勝0敗で防御率3・50。180センチ、90キロ、右投げ右打ち。