ヤクルトからドラフト6位指名を受けた八戸学院光星(青森)武岡龍世内野手(18)が5日、八戸市内のホテルで仮契約を結んだ。

契約金2200万円、年俸480万円(いずれも推定)で背番号は「60」に決まった。2年夏から3季連続で甲子園に出場し、U18日本代表でもプレーしたヤング侍が、つばめ軍団のスターを目指し、夢の舞台に羽ばたく。

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仮契約を終えた武岡はメガネをかけ、りりしい表情で会見に臨んだ。「やっとプロになるプライド、実感が湧いてきた。新人合同自主トレまで2カ月、プロとしての体作りをしていきたい」と覚悟を決めた。

昨秋の明治神宮大会や今夏の甲子園で1発を放つなど長打力も魅力だが、プロで生き抜くための道を探った。ドラフト後には担当の斎藤スカウトに「飛距離かライナー性の強い打球か、どちらを求めた方がいいですか?」と助言を求めた。「自分はクリーンアップより1、2番タイプ」と自覚し、後輩たちと続ける木製バットでの練習でも、外野や内野の間を鋭く抜く打球を意識。橿渕スカウトグループデスクも「ウチはポイントゲッターは多い。相手に嫌がられるチャンスメーカーになってほしい」と期待を寄せた。

幼い頃からヤクルトのイメージは川端だった。送りバントをしない2番打者が格好良かった。「お会いしてお話を聞きたい」と対面を待ち望む。背番号は60。OBの巨人坂本にあこがれ徳島から八戸にやってきた少年は、6番を背負い高校球界のトップ野手になった。「好きな6が入っていて格好いいと思った」。坂本は61から6となりスターに。橿渕デスクから「6は空き番だよ」と言われると笑みがこぼれた。いつの日か、同じ遊撃手のレジェンド宮本慎也氏がつけた6番にたどりつくつもりだ。

写真撮影で、橿渕デスクからできたての応援タオルを渡されると、無邪気な高校生の笑顔に戻った。すでにSNS上では名前にかけ、「武岡のタピオカミルクティー」などの新商品待望論も上がる。「発売してもらえるような選手になりたいです」。契約金は全て両親に渡す。「感謝の気持ち。大金に見合う活躍をしたい」と意気込むが、橿渕デスクは「見合わない活躍をしてほしい」と下位指名を覆す活躍を求めた。武岡は「守備はやれる自信がある。打撃を鍛えていつかヤクルトを代表する選手になりたい」と夢の世界に飛び込む。【野上伸悟】