履正社でもV、阪神でもV! 阪神からドラフト2位指名された履正社・井上広大外野手(18)が5日、大阪市内のホテルで入団交渉を行い、契約金6000万円、年俸720万円で仮契約を結んだ。今夏の甲子園で4番打者として春夏通じて初の全国制覇に導いた高校通算49本塁打の大砲。今度は縦じまのユニホームで頂点に立つ。(金額は推定)
◇ ◇ ◇
その大きな背中に、ファンの期待と虎の未来を背負っている。「もう1度甲子園に立つことが出来るので、しっかりとファンの皆様を喜ばせられるように頑張りたい」。井上が阪神入団で合意し、再び聖地を沸かせる時がやってきた。
履正社の4番として、今夏の甲子園で全国の頂点に立った。決勝ではヤクルト1位の星稜・奥川から3ラン。自分に向けられる熱い視線、一振りに沸き上がる拍手と大歓声。目の前に広がったその景色は、強く心に残っている。「試合をしていてものすごく満員で、1人1人の注目をすごく感じた。その中でもう1度プレーしたい気持ちはあります」。
来年から本拠地となる聖地で再び頂点に立つ-。高校の甲子園大会と阪神の両方で“全国制覇”を経験したのは、生え抜きでは85年リーグ優勝の中西清起、木戸克彦らまでさかのぼる。久しぶりにやってきた甲子園のスター。「自分がしっかりとチームを引っ張れるような選手になって」。将来の阪神を導くスターになる意欲を示した。
高校通算49発を誇るが、アピールポイントはそれだけではない。50メートルのタイムは6秒4。担当の渡辺スカウトは「履正社のトレーナーに聞いても、チームの中でも速いと。あれだけ大きい体で動ければ武器になる」と評価する。高校時代はスキがあれば次の塁を狙った。矢野阪神が掲げる積極走塁につながる部分で、井上は「盗塁が出来なくても、相手チームのジャックルなどがあったら、しっかりと次の塁を狙えるように、準備していきたい」と積極的な姿勢を崩さなかった。
履正社随一の大食漢ながら、プロ入りに向けた現在は食事制限中。トレーニングで筋肉量を増やしている。井上に提示された契約金の大きさは期待の表れでもある。「すごく期待されているということが分かるので、その期待にしっかりと応えられる準備をして臨みたい」。05年以来の優勝へ、未来の主砲がVの使者になる。【磯綾乃】
◆高校時代に甲子園で優勝し、阪神でもVの主な選手 松山商Vから立大を経て球団創生期に入団した景浦は、元祖二刀流として鳴らし、36年秋には防御率1位、37年秋には首位打者と大活躍。藤村、金田はともに後に監督も務めた。85年日本一の主力メンバーには3人の甲子園優勝選手が。木戸は「逆転のPL」の正捕手。嶋田は79年箕島で、公立校唯一の春夏連覇。中西は高知商からリッカーを経て、木戸や嶋田とバッテリーを組んだ。



