阪神の秋季安芸キャンプで臨時コーチを務める山本昌氏(54=野球評論家)が第2クール初日の5日、復活を目指す藤浪を「本人のやる気がすごくある。もともとすごいボール投げるピッチャー。スピン量(回転数)はもっと作れる」と太鼓判を押した。

早朝の航空機で高知入りして球場に到着すると、真っ先に背番号19のもとに向かった。ブルペンでも真後ろに陣取りマンツーマンの熱血指導。初日に藤浪に「チェンジアップを練習することによって、手首が立つ」とレクチャーしたが、この日はボールの回転数について熱心に説明。「球児投手になれるよ!」と声を上げた。「ホップする」と言われる藤川球児のようなストレートも夢じゃない。 プロ野球史上最年長の50歳登板を果たしたレジェンドだが、現役最終年でも直球は大きな武器だった。その秘密が45歳を超えて1秒間に52・5回転を計測した回転数。直球はスピンして本塁方向に向かう。その際、上方向の力が働くといわれ、回転数が多ければその力は強くなり、ボールが沈みにくい。「ホップする」と言われる剛速球だ。

夕方、サブグラウンドでの追加レッスンには、矢野監督に3人の投手コーチと10人近くが集結し、藤浪の投球を見つめた。マサ門下生となった藤浪も「ちょっとずつ自分の中で感覚が良くなっている」と効果を実感。山本氏は「最後の居残りのボールすごい。ああいうのがピッチングに反映していけば。二の矢、三の矢も出す時が来る」と、藤浪専用のドリルをまだまだ用意している。【桝井聡】