球界現役最年長投手の中日山井大介投手(41)が秋季キャンプ休日の6日、ナゴヤ球場屋内練習場で打撃投手を買って出た。12日に迫った合同トライアウトに参加する杉山翔太捕手(28)相手に超異例の174球。現役続行を目指す後輩の手助けと、来年5月で42歳となる19年目のシーズンに向けて鉄腕ぶりを披露した。

今季限りで中日から戦力外になった後輩に「なんとか頑張って欲しい」との思いからの援護投球だった。捕手もいない屋内練習場で2人だけの打撃練習が続く。気がつけば山井の投じた球種は直球から変化球も交わり、球数は170球を超えていた。山井は「スギ(杉山)にはバッテリーを組んでよく助けてもらいましたから。自分のできることはしてあげたいな、という思いと、ストレートも磨きたいし、新たな変化球を見つけたい気持ちもありますので」と汗をぬぐった。

例年、オフも休むことなく投球練習しながら現役生活を積み重ねてきた。とはいえ、この時期に174球の全力打撃投手は年齢面も考慮すれば異例中の異例。高校球界では球数制限の議論が活発化するなど「投げ方改革」が進む令和の野球界でも山井スタイルは不変。来季から本拠地ナゴヤドームのマウンドが硬くなるため、その対策としてのフォームの模索やスパイクなど用具の見極めも含め、今後も投球練習を止めるつもりはない。

「これから鳥取でケアも含め投げ続けます。来季も野球を続けさせてもらえるということなので、なんとか結果を出したいと思います」。今季3勝に終わった鉄腕だが、長寿の秘訣(ひけつ)は投げ続けること。今後は鳥取にあるトレーニング施設の「ワールドウィング」に舞台を移し、42歳シーズンに備える。