秘密兵器が若きスラッガーの力を数値化した。阪神の秋季キャンプで打球速度や打球角度などのデータを計測できる「Rapsodo(ラプソード)」(価格65万円)のヒッティング版をテストした。フリー打撃では機器を用いて野手の打球速度を計測。今季108試合で4番を務めた大山悠輔内野手(24)がトップクラスの170キロ台をたたき出した。

投手と打者の間にセットされた計測器のデータが、関係者が持つタブレット端末に次々と表示された。データ計測器と言えば阪神も導入する弾道測定器「トラックマン」が有名だが、「ラプソード」は持ち運びが可能。メジャー全30球団でも導入されている。

メーカー担当者によると、打球速度はメジャーのトップクラスの選手が190キロ台。エンゼルス大谷は178キロ~182キロを記録するという。170キロ台と大谷級だった大山は「試合で出ないと意味がない。ただ、数字が出たということは試合でも出る可能性はある」と前向きに捉える。

7日にはキャンプ初となる実戦形式の練習が予定されている。矢野監督もサインを出す予定でより試合を意識したものになる。大山は「来季は開幕も早いことを頭に入れて臨まないといけない。1番でも9番でもどの打順でも大事」と気合を入れた。【桝井聡】