日本ハムのドラフト4位鈴木健矢投手(22=JX-ENEOS)が大先輩を一目ぼれさせた。新人合同自主トレ第4クール初日の19日、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷で2度目のブルペン入り。捕手を立たせて投げた40球で、うならせたのは日本人初のメジャーリーガー「マッシー村上」こと村上雅則氏(75)だ。同氏は「今日投げていた中で一番よかった」と大絶賛。初対面ながら投球練習後には声をかけ、激励するほど心を奪われていた。

変則サイド右腕のルーキーは、左足を左肘に触れるほど高く上げてから、沈み込むように横手から力強いボールを放る。独特なフォームを目の当たりにした村上氏は「今日は立ち投げで腰高に見えたけど、本格的な投球になったらもっと腰も沈むだろうし、球持ちも良くなると思う。何より、打者が打ちづらそう。開幕1軍も十分ある」と即戦力であると太鼓判を押した。

鈴木健の隣では、同1位河野竜生投手(21=JFE西日本)や同2位立野和明投手(21=東海理化)も投げ込んでいた。ただ、村上氏は鈴木健の向正面から離れず、くぎ付け。声かけした時には「今のままではメガネが動くだろう」と心配したが、鈴木健は「試合になったら帽子をかぶるので、メガネもずれることはありません」と回答。唯一? の不安も払拭(ふっしょく)したという。「光栄です。頑張りたいです」。ここまでの調整は順調。偉大な先人からの大きな期待にたがわぬ活躍を誓った。【木下大輔】