単独首位をキープした。楽天鈴木大地内野手(31)が5日、ソフトバンク8回戦(ペイペイドーム)に「2番一塁」で先発出場。

1-0の2回に、先発和田から3点適時打を放つなど、5打数2安打3打点の活躍。首位攻防戦を1勝1敗1分けで終えた。プロ10年目のバットマンが、チームを勝利へ導く一打に徹する。

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犬鷲の満塁男ここにあり! 1点リードの2回2死満塁。鈴木大が左打席に入った。フルカウントからの6球目。ソフトバンク和田のスライダーを捉えた。右中間を破る走者一掃の適時二塁打を放ち、塁上で両拳を突き上げた。「みんなでつないだチャンスだったので、ランナーをかえすシンプルな気持ちでした」。今季、満塁の場面では11打数5安打で打率4割5分5厘、13打点と勝負強さを発揮している。

バットで援護したかった。この試合、先発した則本昂は4月28日のオリックス戦で8回無失点の好投。しかし、打線が3安打無得点で引き分けに終わった。鈴木大は「前回のノリ(則本昂)が投げた試合で点を取ってあげることが、全然できなかった。まずはいい援護ができたと思います」と振り返った。初回の第1打席では中越え二塁打でチャンスメーク。2安打3打点の結果で応えた。

ゴールデンウイーク最終日の一戦は、こどもの日でもあった。スコアボードの選手名はひらがな表示で、「鈴木大」は「すずき」と表示されていた。「自分が子どもの時に野球選手に憧れたのと一緒で、野球を見て好きになったり、興味を持ってくれる子が1人でも増えたらなという思いはある」。自らの少年時代は中日ファン。球場に足を運ぶこともあり、神宮球場の左翼スタンドから見た元中日の宣銅烈氏は今でも記憶に残っている。「試合では投げなかったんですけど、ブルペン投球をしているのを生で見て感動しましたね」。今は逆の立場になった。あの日見た光景のように、ちびっこ野球ファンに夢を与える。

チームは2位ソフトバンクと1ゲーム差で首位に立つ。「1試合1試合、1打席1打席、良くも悪くも、どっちにでもなる。自分のベストを尽くそうと思っている」。8年ぶりのリーグ優勝へ、鈴木大は最善を尽くしていく。【佐藤究】

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