日本ハムは、チーム3試合28イニングぶりの得点を生み出すも、今季15度目の引き分けに終わった。ソフトバンク18回戦(札幌ドーム)の3点を追う7回、対ソフトバンク戦では5試合43イニングぶりの得点で、一時逆転に成功。9回に同点とされ、逃げ切れずに白星を逃した。

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待望の瞬間は、終盤7回にやってきた。3点を追う2死一塁。西武から交換トレードで加入した新戦力佐藤が、突破口をこじ開けた。「気持ちです。まぐれです」とガムシャラにバットを振り切った。打球は右中間を真っ二つに割る適時二塁打。ファンの思いがこもった拍手が、球場にひときわ鳴り響いた。

負の連鎖を断ち切った。今季ソフトバンク戦は4試合連続36イニング無得点が続いていた。2死から43イニングぶり、チームとしては3試合28イニングぶりの得点となった。試合前、栗山監督は「どうやったら点を取れるのかをもう1回、アナリストやスコアラーたちといろいろな話をした」と入念に対策を練って臨み、遠ざかっていた1点を引き寄せた。

1点差に詰め寄った、なお7回2死満塁。浅間の思い切り引っ張った打球が、二塁手を襲った。2点適時打で一時勝ち越しに成功。「僕もそのまま勢いに乗って行けた」と必死につないだ。しかし、じわじわ膨らんでいた勝利へのムードは、最後まで続かなかった。

1点リードで迎えた9回。B・ロドリゲスが痛恨の同点打を献上した。指揮官は「いい形で勝ちきれないことは、しっかり受け止めて。もっと狙い球の絞り方だったり、1つのスイングにしてもいろいろ考えなければいけないところもある」と話した。

今季16度目の引き分け。試合後の三塁側ベンチでは、最後の打者となった野村が仁王立ちして天を仰ぎ数秒、思いを巡らせていた。次代の主軸候補を筆頭に、今度は勝利につながる得点を重ねていく。【田中彩友美】