クラブチームのエスプライドは、元オリックスの左腕・野村宏之投手(40)が先発した。

セットポジションからの直球は120キロ前後だが、変化球を織り交ぜ、時にクイック気味に投げるなどして、打者のタイミングをずらした。「まともに投げるとね。いないような投手のピッチングを心掛けました」。毎回走者を出すも、連打は4回1死からの1度だけ。打たせて取り、6回まで強豪企業チームを9安打3失点に抑えた。

悔やまれるのは、7回だ。先頭からの四死球と自らの失策で塁を埋めた。内野フライで1死は取ったものの、適時打を2本浴びて降板。6回2/3、11安打7失点(自責6)だった。

「勝ちたかった。悔しいです。内容どうこうより、企業チームを倒したかったです。序盤はうまくいったんですが、あと3イニング、抑えようと欲が出て、狂ってしまいました」と7回の投球を反省した。

野村は近大から03年ドラフト5巡目でオリックス入り。1軍登板は04年の3試合のみだが、06年限りで退団後も社会人野球でプレーを続けている。現在は会社員をしながら、週末のチーム練習に参加。7月に40歳になったが、野球への情熱は衰えていない。「過去にいい思いもしましたが、ケガもあって悔しい野球人生でした。もう1回、日の当たる舞台に立ちたい。都市対抗に出たい。投げられる限り、チャンスがある限り、求めて、しがみついていきます」と、穏やかだが、芯の通った表情で言った。

敗れたため、24日からの第2代表をかけたトーナメントに回る。「野手で出ると思います」と、次はバットで勝利を目指す。【古川真弥】