マウンド上の堂々たる姿とは対照的に、巨人ドラフト4位の東海大相模・石田隼都投手(18)は緊張していた。神奈川・相模原の同校で14日、水野スカウト部長、担当の円谷スカウトから指名あいさつを受けた。「緊張したんですけど、実感が湧きました」と気持ちを新たにした。

今春のセンバツではエースとして5試合、29回1/3を投げ、無失点で45奪三振で優勝。甲子園V左腕の巨人入りは、王貞治(早実)以来となる。「伝説みたいな存在。すごい記録持ってる方なので、そういう人たちに近づければ」と大志を抱いた。感情を前面に出す、迫力満点のマウンド姿が持ち味。一方でマウンドを離れると、アニメ好きの一面も。「有名なところはだいたい見てます。特にエヴァンゲリオンは5周ぐらいはしてるんじゃないか」とあどけなく笑うギャップも魅力の1つだ。

手渡された色紙には、マジックで「一日一生」と書いた。今夏限りで退任した名将・門馬敬治前監督(51)から伝えられた言葉で、「ベストな1日を過ごして、まだ見えぬ明日につないでいく」という意味が込められている。1年目の目標は「1軍に上がって投げたい」。プロへ多くの選手を育て上げてきた名将の言葉を胸に刻み、新しい舞台での活躍を誓った。【小早川宗一郎】