巨人が来季新外国人候補として米独立リーグのアダム・ウォーカー外野手(30)をリストアップしていることが5日、分かった。

アメリカン・アソシエーション・リーグのミルクマンに所属。メジャー未経験も、今季は打率3割2分、33本塁打、101打点。本塁打王を獲得し、2年連続でリーグMVPに輝いた。国内では日本ハムを自由契約となった西川遥輝外野手(29)の獲得調査に乗り出すことも判明した。

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巨人が米球界に潜む“超掘り出しもの”に目を付けた。ウォーカーは12年ドラフト3巡目、全体の97番目の指名でツインズに入団。右打ちの外野手で両翼を守る。身長196センチ、体重104キロの大型野手で、NFLバイキングスのランニングバックとしてプレーした父親譲りのずばぬけた身体能力を持つ。助っ人候補として、数年前から未知数の可能性に注視してきた。

今季は米独立リーグのミルクマンで33本塁打を放ち本塁打王を獲得。101打点はリーグ2位、24盗塁は同7位タイとスピードもある。プロ入り後はツインズ傘下でしのぎを削り、メジャー有望株の評価も受けた。大リーグ6球団を転々としたが、いずれもメジャー昇格には届かなかった。ハングリー精神を前面に押し出したエキサイティングなプレーが特徴。ジャパンドリームをつかむべくモチベーションは高い。

巨人は今季、助っ人の相次ぐ帰国で戦力が整わなかった。新外国人はコロナ禍の影響で4月中旬にチームに合流。同27日ヤクルト戦がデビュー戦となったメジャー通算96発のテームズは、アキレス腱(けん)断裂で戦列に戻れず退団。同196発のスモークも6月に家族が来日できないことを理由に退団を申し出た。8月下旬に緊急補強したハイネマンは体調不良で約1カ月で帰国、退団となった。来季の新助っ人候補ウォーカーはメジャー実績こそないが、キャリアから屈強な精神力に大いに期待できる。

また、国内でも来季戦力補強に向けた獲得調査を進める。日本ハムを自由契約となった西川の動向に注視。走攻守の3拍子そろったパ・リーグ屈指の外野手で、プロ10年間で311盗塁で、今季を含む4度の盗塁王を獲得したスピードも魅力だ。日米を隙間なく、調査を進め、来季への戦力を整える。

◆アダム・ウォーカー 1991年10月18日生まれ、米ウィスコンシン州ミルウォーキー出身。ジャクソンビル大から12年ドラフト3巡目でツインズ入り。契約金は約49万ドル(約5390万円)。13年は傘下1Aで27本塁打、109打点でリーグ2冠とMVPに輝く。マイナー通算は704試合で打率2割4分2厘、143本塁打、492打点。19年からの米独立リーグでは今季まで3年連続20本塁打。右投げ右打ち。身長196センチ、体重104キロ。同姓同名の父は87年にNFLで2試合に出場。はとこに98年シルバースラッガー賞(二塁)のダミオン・イーズリー内野手(タイガース)がいる。

◆巨人の外野手 今季は丸、松原、ウィーラーの3選手が軸になった。中堅は丸が106試合に先発。右翼は開幕当初は梶谷がレギュラーも、負傷離脱の影響で60試合にとどまった。松原は右翼の57試合を中心に全ポジションで2桁試合以上に先発。左翼は82試合に先発のウィーラーに、今季限りで現役引退した30試合の亀井が続く。それぞれ9選手がスタメンに名を連ねた右翼と左翼は、完全に固定されておらず、激しい競争が見込まれる。