阪神川藤幸三OB会長(72)が21日、沖縄・宜野座キャンプを視察し、大山悠輔内野手(27)と佐藤輝明内野手(22)に「本気の4番争い」を厳命した。

「2人が『4番とったる』というガチンコの勝負をせなあかん。それがチームを一番強くする方法」

85年の日本一メンバーでもある「なにわの春団治」は17年ぶりの優勝と黄金時代再来を強く望む。昨年は大山が最多93試合で4番に座ったが、今季は新人で24本塁打を放った佐藤輝と争う構図が生まれた。矢野監督はここまで練習試合5試合のうち佐藤輝に3試合、大山に2試合とほぼ均等に4番を与えてきた。佐藤輝は20日の中日戦で同点の9回に二塁打。決勝点につながる一打だったが、OB会長は成長を認めた上で「あれくらいで何言うてんねん」と注文をつけた。

「あそこでサヨナラ本塁打をね。柱のないチームなんやから、みんなが求める姿になっていかなきゃ。過去の4番はそうして認められてきた。この2人はそうなって初めてホンマモンの大きな柱になる。柱のないところには枝葉も出てこない。強い信念を見たいんや」

藤村富美男、田淵幸一、掛布雅之、金本知憲…。ファンが夢を託せる4番の出現を「使命」と言い切った。【柏原誠】