阪神小幡竜平内野手(21)が3安打2打点とバットでアピールし、木浪、中野との正遊撃手争いで猛アピールした。「やっぱり競争があった方が自分でもどんどん向上できる。いい意味でとらえて、レギュラーが取れるように、競争に勝てるように」と開幕スタメンに意気込んだ。

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9番遊撃で4試合ぶりに巡ってきた先発のチャンスを逃さなかった。1点を追う7回2死一、二塁での第3打席。巨人戸田の低め直球をとらえ左中間を破る一時逆転の2点適時打を放った。二塁ベース上でガッツポーズした小幡は「あまり打ってやろうという気持ちはなくて。意外に冷静にいけた」と気負いはなかった。

猛打賞は20年10月2日の巨人戦以来2年ぶり。当時は高卒2年目で1軍出場が増えていたころだ。期待された昨季は新人の中野が正遊撃手になり、小幡は大幅に出場機会を減らした。中野が下肢コンディション不良で春季キャンプ2軍スタート。1軍で木浪と争う中で、結果が出ず後退していた。キャンプから帰阪後に北川打撃コーチから「結果を求め過ぎずシンプルに来た球を打つつもりで打席に入るように」と助言された。小幡は「今日を機に考え方も少しずつ変わっていけたら」と浮上のきっかけにする。

この日、教育リーグ・中日戦(鳴尾浜)では中野がフル出場し、1軍復帰が近づいている。井上ヘッドコーチが「小幡がポンポン打って。今日あいつがすっからかんで、ポロンポロンやっていたら中野を呼ぼうかとなったと思うよ」と話すように、瀬戸際から巻き返した。3回には二盗を決め足でも見せた。矢野監督も「聖也(木浪)と拓夢(中野)との競争の中で誰が勝ってくるかというところでいいアピールをしてくれた」と評価した。開幕まで2週間足らず。遊撃争いが激しさを増した。【石橋隆雄】