プロ3年目の中日石川昂弥内野手(20)が、プロ入り初アーチで勝利を引き寄せた。同点に追い付かれた直後の8回、先頭打者で左中間へ1号決勝ソロ。若武者が今季初の4連勝をけん引し、チームの勝率5割復帰に貢献した。

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ヤクルト5番手清水の低め145キロストレートを見逃さなかった。打球は左中間スタンドへ。プロ入り76打席目での待望の1号アーチだった。

「村上さんの本塁打を見てやり返そうと思った。使い続けてくれた立浪監督やいろんな人への感謝しかない」。7回裏にヤクルト村上が同点3ラン。2学年上の追いかける存在にもアピールした。

昨秋キャンプから立浪監督が強化指定選手の1人に指名。中村紀打撃コーチらだけでなく、指揮官から直接指導も受けてきた。試合前は打率1割4分3厘ながら、スコアボードに名前が入った。キャンプから体重も3キロ近く落とし、「143試合大丈夫かな」との不安もあった。心を整え、結果を出した。指揮官らへの恩返しにもなった。

初アーチ後、白地に黄色とオレンジが配色された右手の手袋を高々と掲げた。これまで真っ赤な手袋だったが、昨季骨折リタイアしたこともあり、母校東邦関係者からダメ出しされた。今季は幸運を呼び込むために色を変えて臨んでいた。

立浪監督も「今日の1本で何かつかんでくれたら」と目を細めた。昨季ヤクルトには6勝13敗6分けと大きく負け越した。敵地での初戦で先勝し4連勝で、5割復帰。大砲候補のデビュー弾で勢いに乗る。【伊東大介】

◆石川昂弥(いしかわ・たかや)2001年(平13)6月22日生まれ、愛知県出身。東邦では1年春からベンチ入り。3年春に、平成最後の甲子園優勝を達成。高校通算55本塁打。投手としても最速144キロを記録した身体能力を誇る。19年ドラフト1位で中日入団。186センチ、104キロ。右投げ右打ち。

▽中日立浪監督(就任初の勝率5割) まだ10試合ですよ。DeNAに3連敗したのに比べれば、いろんな意味で選手も反省できるし、どんな形でも勝たないと。勝野に勝ちをつけてあげられなかった。

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