燕のゴジラが止められない。ソフトバンクがヤクルトに2連敗を喫し、5月31日から守ってきた首位の座を楽天に明け渡した。村上に満塁弾を含む2発6打点と打ち込まれ、逆転負け。試合後、藤本博史監督(58)は「村上君がすごいんでしょう」と厳しい表情で、会見を約1分20秒で早々に切り上げた。

4-1の5回無死一塁。先発大関が、村上に18号2ランを浴びた。1点差に迫られ、不穏な空気が漂う。4-3の6回は勝ちパターンの津森が3連打を浴びて満塁のピンチ。2死で村上を迎え、左腕嘉弥真にスイッチしたが、痛恨のグランドスラム被弾。フルカウントから内角スライダーを右翼ホームランテラスに運ばれた。指揮官は「勝ちパターンを使ってるので、全部わたくしが悪いです」と責任を全て背負った。

ヤクルトにはこれで昨季から5連敗。この間、村上には16打数9安打で打率5割6分3厘、5本塁打、10打点と打ち込まれている。前日10日にも決勝弾を食らった。試合前から警戒は「最高レベル」と話していたが、止められなかった。

この日は「タカガールデー」として開催され、ペイペイドームはピンク一色に染まった。さらに今季初の満員御礼だったが、聞こえてきたのは悲鳴ばかり。ヤクルトの交流戦優勝を目の前で見せられる屈辱を味わった。これで交流戦は9勝8敗。12日に勝ち貯金2で終わるか、負けてゼロで終わるか。最終戦に全力を尽くす。【只松憲】

○…2番ショートで先発出場した野村勇の先制弾も、勝利に結びつかなかった。初回無死一塁からスアレスの高めの直球を豪快にバックスクリーン左に運び去った。「大関さんが初回のピンチを乗り越えてくれたので、なんとか先に援護したいと思いました」。5月26日のDeNA戦(横浜)以来のスタメン出場で、いきなり5号2ラン。「久しぶりの打席だったので、とにかくファーストストライクを思い切ってスイングしようと打席に入り、高めの真っすぐを完璧に捉えることができた」と笑顔だった。

▽大関(先発で5回3失点)「1、2回と球数が多くなってしまいリズム、テンポの悪い投球になってしまった。何とかリードを守ろうと思って投げた。1点差になり中継ぎの方に迷惑をかけてしまった。難しい試合にしてしまい申し訳ない」

▽松田(4回に2点適時二塁打)「打ったのは真っすぐ。練習で取り組んでいることを、試合で出すことができました」

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧