阪神が智弁学園(奈良)の先輩後輩コンビの活躍でリーグ最速40勝に到達し、がっちり首位を守った。
球宴ファン投票の先発部門で1位選出された村上頌樹投手(25)が御礼の7回5安打0封。プロ3度目の甲子園先発で本拠地初勝利の6勝目をマークした。打っては智弁学園で5学年後輩の前川右京外野手(20)がタイムリーで援護。高校時代は村上が春優勝、前川が夏準優勝。甲子園の申し子コンビが“智弁の絆”発動で6カードぶり勝ち越しだ。
◇ ◇ ◇
甲子園は村上の味方だった。7回2死満塁、後藤に対しフルカウント。勝負への覚悟を決めた瞬間、360度から大きな拍手が降り注いだ。「相手の応援よりすごかった。力になりました」。この日最速149キロの真っすぐで二ゴロ。右こぶしを握り、グラブをたたく。スタンドからは、また万雷の拍手だ。
智弁学園3年春、センバツ優勝投手になった。夏は一つ勝ったが2回戦で敗退。酸いも甘いも味わった。あれから7年。タテジマを着る今、「本当にいいグラウンドでやらせてもらっているし、投げていて楽しい」と思う。原点ともいえるマウンドで自身約1カ月ぶりの6勝目。プロ3年目、三度目の正直先発で初の甲子園勝利をつかんだ。
「緊張した」という聖地初のヒーローインタビュー。「忘れられない1勝になった」とかみしめた。前日28日にノミネート外ながら、球宴セ先発部門のファン投票1位で初出場が決定。7回5安打無失点の御礼快投で感謝を体現した。
体は濃厚なスープを欲していた。前回登板から中15日。つかの間のリフレッシュ期間で足を運んだのが、人気ラーメンチェーン店の「天下一品」だった。「ずっと行きたくて。あのドロドロのやつを」。こってりラーメンをほお張った。
一時は甲子園近隣の商業施設にある店舗へ食べに行こうかと思案するほど、念願だった。焼き肉やすしではない。「ご飯食べに行くといってもラーメンくらい…」。同じく人気チェーン店の「ラーメン一蘭」も大好き。25日に25歳になったばかりの青年に、ぜいたく思考は一切ない。村上は村上らしく、天下一品の直球で中日打線をねじ伏せた。
初回には智弁学園の後輩、前川の援護射撃も受け、“智弁の絆“”でチームをリーグ一番乗りの40勝に導いた。「したかった」という2度目の完封は次回に持ち越したが、これで中日戦は3戦3勝だ。岡田監督は「おお、今日はよかったな。ブルペンでも今日はボール走ってますよと言うてたからな」とたたえた。佐々木朗を倒したあのロッテ戦戦から実に約1カ月、6カードぶりのカード勝ち越しで2位DeNAとのゲーム差も1・5に拡大。村上の絶品の100球が、虎を再び加速させる。【中野椋】
◆村上の智弁学園時代 甲子園は1年夏、3年春夏の3度出場。3年時の16年センバツでは、初戦の福井工大福井戦で完封するなど全5試合で完投勝ちを収め、チームを初の全国制覇に導いた。決勝の高松商(香川)戦は、自らサヨナラ打を放つ独り舞台。夏は2回戦で河野竜生(日本ハム)擁する鳴門(徳島)敗れたが甲子園はトータル3大会で8試合に登板して6勝1敗、防御率0・69の好成績を残した。
▽阪神馬場(8回に2番手で登板し1イニング無失点)「四球はもったいなかっけど、そんなに暴れている感じではなかったので、しっかり粘れました」
▽阪神石井(9回の1イニングをぴしゃり)「今日はどの球でも有利に投げられた。投げるたびに(故障)前以上のコンディションに戻ってきている」



