巨人ドラフト1位の西舘勇陽投手(21=中大)が、今季チーム初実戦となる11日の1、2軍合同の紅白戦で実戦デビューする。先発のマウンドに立ち、1イニング登板予定。第2クール最終日となった8日は、個別練習でスライダーとフォークの感覚を修正し、最高の“デビュー戦”とすべく備えた。オールクイック投球の最速155キロ右腕が、いよいよベールを脱ぐ。

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西舘が初実戦のマウンドに立つ3日後のイメージを膨らませた。全体練習が終わると、ブルペンに向かった。スライダーとフォークの修正にテーマを設定。立ったブルペン捕手に淡々と投げ込んだ。気が付けば、110球以上を投げていた。初登板を控え、「ちょっと投げすぎとも言われたんですけど、練習した結果。次のピッチングでいいものが出るかと言われたら、分からないが、最後の方はいい感触で終われた」と第2クールを締めた。

7日のシート打撃では打者8人を安打性2本に抑えた。カーブでカウントを整えられたのは収穫だった一方で、抜け気味だったスライダーとフォークは課題に残った。変化量などデータと向き合い「どういうボールの動きとか見ながら、1球ずつ確認してやりました」と修正。シュート気味だった直球も見直した。

新人合同自主トレから、まず故障しないように注意しながら、徐々にピッチを上げてきた。人見知りの性格だが、積極的に先輩投手にプロで活躍するためのアドバイスを求めた。宿舎にはマットレスも持参し、5日のキャンプ初の休日も13時間爆睡。睡眠でリフレッシュしながら、妥協なく初のキャンプを過ごしてきた。6日には阿部監督から「フォークは左バッターにひっかけてもいいから強く投げろ」と助言を受け、意識を続けてきた。

今季は1年間、1軍に居続けることを目標に掲げる。先発かリリーフか今後の起用法は流動的となるが、いずれにしても戦力と認められるには、実戦で結果を出すことが求められる。デビュー戦から実力をアピールしていく。【上田悠太】

◇主な巨人ドラフト1位(自由枠)投手の初実戦

◆99年上原 2月21日の紅白戦で先発。速球を中心に2回を3安打無失点に抑え、長嶋監督は「もう計算のレベルに入っている」と先発ローテ入りを明言。

◆04年内海 肩の故障で調整が遅れ、初実戦は2月20日の紅白戦。8回から登板し、わずか10球で1回無失点に抑え「もっと投げたかった」とポツリ。

◆11年沢村 2月15日の紅白戦で先発して2回を無安打無失点。直球の最速は149キロ。スライダーとフォークの制球も良く、全17球でボールは4球だけ。

◆13年菅野 2月16日の紅白戦で先発。1回は9球で3者凡退に抑えたが、2回はボール先行で31球を要した。自己採点は辛口の「50点」。

◆22年大勢 新型コロナ感染もあり、2月24日に1軍合流。3月3日の西武とのオープン戦で3番手から登板し、155キロを計測するなど1回を無安打投球。

 

◇寝る子は育つ西舘勇陽アラカルト

◆花巻東時代 腰椎分離症の治療で青森県内へ電車で向かうも音信不通に。乗り継ぎに迷い疲れ果て駅のベンチで寝ているところを発見された。

◆中大時代 野球部寮は2人部屋で、下級生は上級生の先輩との相部屋がルール。それでも「気にせず寝てました」と昼寝の最長は6時間を記録。授業もおろそかにせず、法学部法律学科卒業が決定。

◆昼寝のお供 昼寝をする際にはYouTubeで、ディズニーの名曲がピアノで演奏される「おやすみディズニー」を微音で流している。大学3年時に発見。夜は「無音で寝たい」と昼寝限定。

◆入寮 花巻東の先輩であるドジャース大谷が愛用する寝具メーカー「西川」の「エアーポータブルモバイルマット プロ」(8万8000円)を持参。「世界トップの選手が使ってるから大丈夫」と納得の1枚だった。

◆キャンプイン 宮崎までの飛行機では座ってすぐに夢の中へ。起きたのは「着陸の衝撃で」と2時間弱スーツで快眠だった。

◆キャンプ 5日の休養日は昼ごろまで13時間睡眠。睡眠に夢中になるあまりホテルの部屋のカーテンを1週間開けなかった。

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