巨人が逆転勝ちで首位広島に食い下がった。
1点を追う7回に浅野翔吾外野手(19)が同点適時打。8回無死二、三塁で岡本和真内野手(28)が7年連続20号となる決勝3ランで鯉を沈めた。再び1ゲーム差とした阿部慎之助監督(45)は「とにかく勝ち越せるように。カープも、お互い必死。いい試合をして勝てるように頑張ります」と22日の今カード最終戦に挑む。ペナントレースは残り32試合。勝負の秋が迫ってきた。
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歓声が悲鳴を打ち消した。7回1点先制された直後の攻撃、2死二塁で浅野が食らい付いた。カウント2-1から低めのツーシームを狙い打ち。左中間への同点適時二塁打で振り出しに戻し、8回岡本和の決勝3ランを呼び込んだ。ドキドキの投手戦。浅野に代打を送る考えも一瞬よぎったという阿部監督だったが「僕、個人的には彼がスターになって欲しいので期待を込めてずっと使ってます」。信じた結果が勝利をたぐり寄せた。
試合開始から約5時間前、阿部監督が“鋭い”質問に、毅然(きぜん)として答えた。小学生を対象にしたトークイベントに参加。「ジャイアンツが優勝するためにはどうしたらいい?」と、純粋で無垢(むく)な質問に、真っすぐ目を見て口を開いた。「広島と阪神にどれだけ勝てるか、だけだから。昨年までは全然勝てなかったでしょ。だけど、今年は良い勝負をしているからさ。優勝のチャンスがある限り、やんなくちゃいけないと思う」。敗れた前夜の借りを返し広島と8勝7敗3分け、阪神とも五分の戦いをここまで演じてきた自負がある。
勝負の分かれ目は、百戦錬磨の指揮官には分かっている。「プロ野球選手って技術はすげえあるんだよ。何が大事かって、ここね」。左胸の前にハートの形を手でつくり「これね。ハート。そこだけだと思うよ」。いかに気持ちを出して戦えるか。持っている技をどれだけ発揮できるのか。すべてはハートが物を言う。子どもの目線に顔を合わせて伝えていたことを、選手がグラウンドで表現した。
「推し」の選手を聞かれ、とっさに出たのも浅野だった。「勝負勘というか、一番僕はそういうのを買っている。勝負する顔というか。戦っている姿勢が僕には良く映るので。こういう子が1人でもいないと」。東京ドーム最後の広島3連戦、首位攻防2戦目を制しゲーム差は再び1。ハートでもぎ取った大きな1勝だった。【栗田成芳】



