<巨人5-3中日>◇21日◇東京ドーム

 さあ、23日にもV3胴上げだ!

 巨人は本拠地東京ドームに2位中日を迎えた3連戦の初戦を制し、優勝マジックを3とした。9月絶好調の谷佳知外野手(36)が2打席連発の9号逆転2ランに10号ソロ、アレックス・ラミレス外野手(34)が29号2ランなど、1発攻勢で圧倒した。中日との残り2戦を1勝1分け以上なら優勝が決まる。栄光のV9以来のリーグ3連覇が、いよいよ目前に迫った。

 迫った歓喜の瞬間を、東京ドームのファンは待ち切れなかった。宿敵中日に04年以来となるシーズン勝ち越しを決め、優勝マジック3。誇らしげに右手を掲げる巨人ナインを、スタンディングオベーションの拍手がいつまでも包んだ。最短Vは23日。原監督が3年連続で宙を舞う瞬間が近づいた。

 オレ竜が残すいちるの望みを砕いたのは、谷だった。2回に逆転2ラン、4回には自身03年以来の2打席連続の10号ソロを、いずれも右翼席に放った。8月25日、2・5差で迎えた敵地ナゴヤドームでの首位攻防第1ラウンド。谷は延長10回に決勝適時打を放ち、3連勝で一気にライバルを突き放した。天王山だったこの試合を決定づけたベテランは、9月打率4割7分8厘と好調。原監督は「価値あるホームランだった」とねぎらった後、続けた。

 原監督

 打線という形でカバーし合っている。誰かが打てない時は誰かが打つ。打線として幅を感じる。いいコンディションで、試合に臨んでくれているのが一番でしょう。

 打線に厚みをつけたのは、ほかならぬ原監督だった。今月に入り1番坂本から7番阿部まで、ほぼ固定したメンバーで戦う。実りの秋に各自が調子をピークに合わせ、「維新」をテーマに掲げスタートした09年のオーダーは、9月35本塁打の爆発で完成した。4月3日開幕の広島戦は坂本が8番で亀井は1番。松本、谷はベンチだった。開幕3連戦は2敗1分けと負け越したが、WBC監督で一時チームを離れていたため、原監督は「直接選手を見ていない心配はあるが、逆に見ればフラットな状態でジャッジができる。スタメンを考えるのが今は楽しいよ」と不敵に笑っていた。

 安打だけでなく、凡打、練習の内容まで見極め若手を次々登用。松本の台頭で谷はシーズン中盤まで途中出場、交代が続いたが、結果コンディションの温存につながった。刺激ある外野レギュラー争いの相乗効果も加わり、最も力が必要とされる時期に存在感を発揮した。谷の活躍は、純粋な目で選手を見極め続けた原監督の起用哲学の象徴だった。

 これで23日までの9連戦勝ち越しを決め、貯金を90年以来の大台となる「40」に乗せた。原監督はこの連戦を「非常に大切」と最重要視していたが、会見の最後、中日への意識を問われると「特にないです」と答え淡々と席を立った。「マジック3だから。一足飛びにはいかない。全員でベストを尽くすだけです」。ライバルを完全に視界から消した。1戦ずつのスタイルを貫いて、いよいよゴールを切る。【宮下敬至】

 [2009年9月22日8時20分

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