<中日1-0ロッテ>◇5日◇ナゴヤドーム

 中日の川井雄太投手(30)が、今季自己最長の8回を5安打無失点で投げ切り、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。白星こそつかなかったものの丁寧に低めの投球を心がけ、ロッテ打線を封じた。09年に開幕11連勝した“サンデー川井”の面目躍如たる好投で、これからも「日曜は雄太にお任せ」だ。

 立ち上がりから飛ばした。1回、ロッテの1番岡田、2番高浜をともに見逃し三振に打ち取って川井が波に乗った。序盤のピンチも丁寧なピッチングで内野ゴロを打たせ、結局8回を5安打無失点。勝ち星こそつかなかったが、これで登板6試合続けてチームは負けなしだ。

 川井

 ランナーを出してからも何とか粘ることが出来た。1球1球低めに投げることが出来てよかった。ヒットを打たれたのは少し高めだったのでそれだけは反省です。

 「7回の壁」があった。5月8日の巨人戦、同23日の楽天戦でも6回まで快投を続け完投ペースだったのにもかかわらず、7回に不用意な四球でマウンドを降りている。その度に「中継ぎの人に迷惑をかけてしまった」と川井らしく反省していた。この日も7回に大松に四球を与えたが、なんとか踏ん張った。

 今季からマウンドに向かう際、ひそか行っていることがある。各イニングでマウンドに向かう時、帽子を脱いで一礼する。昨年はわずか6試合(1勝3敗)に先発しただけ。優勝争いするチームで力になれなかった悔しさは忘れていない。感謝の思いが行動になっている。

 09年には、日曜日ごとの登板で開幕から11連勝。「サンデー川井」として、チームをグイグイ引っ張った。マウンドにお礼をする回数が増えるほど、背番号17の存在が大きくなる。【坂祐三】