中日高木守道監督(71)が大はしゃぎだ。沖縄合同自主トレを視察した30日、テスト生エディ・リベラ投手(24)のブルペン投球やマット・クラーク内野手(26=パドレス3A)のフリー打撃にぞっこんとなり「開幕投手も4番も決まりや」。ブラッドリー投手(ブラッド・バーゲセン、27=ダイヤモンドバックス)も高評価で、新助っ人軍団はうれしい誤算となった。

 初めてリベラの投球を見た高木監督は、超ご機嫌だった。「リベラの開幕投手、決まりっ!」。えっ、テストは2月1日からですが…。読谷村と北谷町役場を表敬訪問後、スーツ姿で急いで駆けつけたブルペン。「開幕投手」はジョークにしても、いきなり合格を与えたくなるほど、うれしい第一印象だったようだ。

 持ち味は自称最速162キロの真っすぐ。この日も「145キロは出ていた」とルイス・ブルペン捕手の体感だ。これが究極の荒れ球だが、その危険さに監督もホレた。「相手は怖がって逃げまくるで」。思い描くは開幕DeNA戦で“裏切り者”ブランコが逃げ惑う姿だったりして。

 さすがにもう少し制球力を上げないと合格点はあげられない。「力のある球が取りえ。問題はあの制球のブレ。でもそこそこになりゃ的を絞りづらい。楽しみやで」。謎のドミニカンが思わぬ掘り出し物の期待。そしてご機嫌の理由はリベラだけではなかった。

 山崎と一塁を争うクラークが室内でフリー打撃を行い、左打席から大きな打球を連発。来日前は「走れん守れんらしい」と期待薄だった196センチ、104キロがブランコに匹敵する怪力を見せつけた。「あの体でリーチもあるしスイング幅が大きいから飛んでいくわ。実戦にならんと分からんけど楽しみは楽しみやで」。初ブルペンの先発候補ブラッドリーも「コンパクトな腕の振りで制球がブレん」と高評価した。

 ブランコやソト、ソーサの代役で獲得した本命の新助っ人は他にいる。ブルペン投球を控えたメジャー48勝のダニエル・カブレラ(31=ダイヤモンドバックス3A)と、12月のドミニカ共和国ウインター・リーグMVPで2月初旬来日のエクトル・ルナ内野手(32=パイレーツ3A)だ。この日実技を見せた3人はテスト生や第2野手&投手の期待で獲得した選手たち。まさにうれしい誤算だ。監督は佐藤球団代表に「開幕投手(リベラ)と4番(クラーク)は決まり!」とまで言ったとか。新助っ人の皆さん、ヌカ喜びはさせないでね。【松井清員】