背水のキャンプが始まった。楽天上園啓史投手(29)は「今年ダメだったら、もう終わりですから」と意気込んだ。則本、青山らとともに、真っ先にブルペン入り。85球を投げ、額から汗をしたたらせた。まだ立ったままの捕手に投げる投手もいる中、低めに集め、仕上がりの早さをアピール。見守った星野監督にも「仕上げてきたな。あいつは覚悟がある。良いことだ」と言わせた。今季にかける気合が表れた。

 阪神から移籍しての2年間で、登板は6試合のみ。2軍では結果を残しても、1軍では思うような投球ができずにきた。理由を、上園本人は「昔より技術は上がっていると思う。それでも、1軍で投げられないのは気持ちの問題。もともと気持ちを出すタイプだったのに」と言い切った。気づかせてくれたのは、大学時代の友人だった。「気持ちが感じられない」と指摘を受けたという。だから、「ダメなら最後」と自らに言い聞かせ、奮い立たせている。6月で30歳。キャンプで燃えているのは、若手だけじゃない。【古川真弥】