<西武4-1楽天>◇6日◇西武ドーム

 投打がかみあわず、楽天が西武に逆転負けした。先発した上園啓史投手(29)は5回まで3安打無失点と好投したが、6回2死からの四球がもとで2失点。負け投手になった。打線は、3回に奪った1点だけだった。これで、5月は3勝3敗。4月19日を最後に、連勝していない。

 敵地を離れる星野監督は、不機嫌そのものだった。「今日は四死球だよ。簡単に点を取られすぎ。もったいない」と吐き捨てるように言った。1-0の6回2死から、先発上園が西武栗山に四球を与えた。そこから2失点で逆転された。7回の青山、8回の長谷部も、四死球で出した走者をかえされた。終盤に点差が開くばかりでは、反撃ムードが生まれるはずもなかった。

 何より、上園本人が悔しがった。5回までは相手の打ち気をそらし、3安打無失点。勝利投手の権利も手にしたが、6回2死から落とし穴にはまった。「6回2死からの四球と(逆転二塁打を打たれた)中村さんへの失投が全てです。5回までどんな良いピッチングをしていたとしても、あの場面で逆転されてしまっては意味がないので」と無念の表情。移籍3年目を迎えたが、楽天では未勝利だ。

 今季初登板となった前回4月30日のロッテ戦でも、4回まで無失点と好投した。だが、5回に先頭への四球から2点を失い降板した。この日の登板に雪辱を期していた。前日5日に「自分にとって大きなチャンス。なんとか食らいついていきたい」と意気込みを口にしたが、またも、あと1歩で踏ん張れなかった。

 打線も援護できなかった。3回に先制二塁打の藤田は「ゾノ(上園)が頑張って投げていたし、2回のピンチも乗り越えてくれたので、なんとか先制点を取ってやりたいと思っていた」と言った。その思いは、みんな持っていたが、空回りした。1回2死二、三塁では、枡田がボール球を打ち上げ遊飛。3回2死一、二塁でも遊ゴロに倒れた枡田は3回裏から交代。ただ、早めの手だては届かず、西武の継投に屈した。

 試合前、星野監督は「(勝率)5割というのはモチベーションになるんだ」と力説していた。連勝できず、借金は再び4。踏ん張りどころだ。【古川真弥】