50歳を超えてもプロレスリング・ノアの第一線でファンを魅了し続けるレスラーたちは、リングを降りてからも熱い戦いを繰り広げている。今年8月にゼロワン世界ヘビー級王座を獲得したエースレスラー杉浦貴(51)と、17年に日本人で初めてUFC殿堂入りを果たした総合格闘技界のレジェンド桜庭和志(52)のことだ。

来年の目標や意気込みなどを尋ねようとした2人へのインタビューは、途中から、老化とは何か、健康に生きるためにはどうするべきなのか…白熱した議論へと変わっていった。聞けば、控室などでヒマな時間があれば、同様のテーマで持論を語り合うのが日課なのだという。

「俺は70歳まで生きられればいい。今3歳の愛犬と一緒に最期を迎えたい」。そう、断言する杉浦だが、健康のためには労を惜しまない。添加物が多いとされる食べ物は一切口にせず、試合前に桜庭から進められても「認知症の原因になる」と断固拒否するという。そのストイックさは、鍛え上げられた肉体美にも表れる。「逆にブヨブヨの体になる秘訣(ひけつ)は? って聞きたいくらい。普通にしていればこれくらいはできる」。今年8月には、田中将斗との35分超えの激戦に勝利。その体力は、普段の生活から作られていた。

一方の桜庭は、「絶対に杉浦よりも長生きする」と力を込める。好物の発泡酒はプリン体や糖質が含まれていないものにこだわり、「身体を動かさないとダメになる」と、3~4階なら自力で階段を上るように心がける。「最近は、激しい練習をすると疲れて帰りの車で寝そうになる」と漏らすが、至高の関節技は健在だ。昨年8月には杉浦と組んでGHCタッグ王座を戴冠。キャリア27年目にしてプロレスのタイトルを初獲得するなど、五十路(いそじ)を迎えても成長を続けている。

そんな2人の22年は、元日の武道館で、7年ぶりにノアのマットに上がるKENTAとのトリオ結成から始動する。目標はもちろん、2人で今年3月に奪われたタッグベルトの再奪取!…かと思いきや、「毎日、日記を書いて脳みその劣化を防ぐ」とのこと。真顔で返答されてしまった。それでも、「状況次第でどうなるかわからない」と含みを持たせるなど、まだまだ貪欲さは失われていない。今後も、ノアの50代の熱い戦いから目が離せない。【勝部晃多】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける」)