初場所2日目は成人の日だった。成人を迎えた力士たちは、成人式や同窓会に出席することはない。地元に戻ることもない。この日、取組があった力士もいた。

三段目の雷嵐は象竜との二十歳対決を制した。物言いがついた末、相手にマゲつかみがあり、反則勝ちとなった。大分県日田市出身。「おとといは高校の同窓会、成人の式(20歳のつどい)は昨日ありました。出たかったけど、自分はこっちに集中するだけなんで」。この日の夜は、師匠の雷親方(元小結垣添)とおかみさんとともに焼き肉へ。雷親方は「自覚を持って頑張れよと、一言言おうと思います」とやさしく言った。

東三段目66枚目となった関本は、自己最高位で白星発進。「他の人ができない経験なので誇らしいです」と成人の日の土俵に胸を張った。千葉県市原市出身。前夜にあった同窓会は欠席。LINEには多くの写真が送られてきた。師匠の阿武松親方(元幕内大道)は「部屋としては昔から、成人の日は師匠と出かけたりします。年末年始も(実家に)帰らせていませんし、この時代にそれでいいのか考えますが、みんな覚悟を決めて来ています。おすもうさんの誇りを持って、自覚してもらえればいい。相撲にかけていると思ってもらえればいいですね」と話した。この日の夜、師匠が二十歳の関本、大天真を連れて、後援者の店で食事会を開いた。

付け人の玉の寅が成人の日を迎えた41歳の玉鷲には、若者へのメッセージをお願いした。すると、少し考えた末に言った。「20代はもっと苦労した方がいい。後々苦労するより、若いうちに苦労した方が疲れにくい」。独特の言葉でエールを送っていた。【佐々木一郎】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

押し出しで熱海富士を破る玉鷲(撮影・宮地輝)
押し出しで熱海富士を破る玉鷲(撮影・宮地輝)