ここ数場所特に、観戦マナーの乱れが相撲ファンの間で指摘されている。
日本相撲協会は今場所から、国技館入り口で無料配布している小冊子「観戦ガイドブック」の中に「大相撲観戦礼法」を掲載した。イラスト入りで「立ち合いでは静粛に」「目に余るヤジ・指笛禁止」など注意事項を載せ「土俵上で行司が腰を落とし、軍配を正面に向けるポースをしたらいよいよ立ち合い。土俵上の緊張感を、静かに注目してください」と記載した。
佐渡ケ嶽広報部長(元関脇琴ノ若)は「力士から立ち合いについては声があがりました。協会として、マナーを守っていただければ、というお願いです」とやんわり説明した。
昨年11月場所中には、ある幕内力士が取組後の支度部屋で、観戦マナーについて自ら切り出した。立ち合い直前のヤジのようなコールを問題視していた。今場所中は朝乃山が「応援はうれしいし、感謝している」と前置きした上で、声をそろえてのコールは相手に失礼に当たると指摘していた。
YouTubeの「親方ちゃんねる」では初日の3日前に「相撲観戦前に観てください!観戦マナーについて親方会議!親方ちゃんねるからのお願いです!」と題した動画を公開した。出演した三保ケ関親方(元幕内栃栄)は昨今の相撲人気により、マナーが分からない新規の観客が増えている影響ではないかと推測。「YouTubeを含めて、知るきっかけの1つになればと思ってやっています。皆さんが楽しもうとしていることを押さえつけるものではありません。だから、YouTubeの撮影の時も、『思いやり』『配慮』という言葉を多く使いました」と説明した。親方ちゃんねるの動画は、九州場所中に福岡国際センター内の一室で撮影した。協会からの指示ではなく、親方ちゃんねるの担当親方から声があがったことがきっかけだという。
ファンの中には、もっと厳しい通達を望む声もある。木戸で注意事項を配布してはどうか、場内アナウンスで訴えた方がよいのではないか、などの意見もある。これらはすべて把握した上で、三保ケ関親方は「もうちょっと様子をみます。何年も来ている方も初めは知らなかったこと。新規で分からないお客さんが覚えていくまで、一緒に見守っていただきたい」と話している。【佐々木一郎】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)




