最終回は白鵬関(33=宮城野)です。描いてくれたのはモンゴルの英雄チンギスハン。

有名な肖像画がモデルですが、本来は背景が暗い色。「あえて背景を青にした。チンギスハンの名言に『許す、切る、愛があって国がある』というものがある。相撲は『許す』というのが大事。広い心をイメージして空と同じ青を選んだ」。横綱だからといって遠慮せず、どんな取り口でも受け止めるという、対戦力士へのメッセージであり、付け人らのミスも水に流す思いを表しました。

色鉛筆で描き始め、輪郭など随所でサインペンを使うこだわりで、仕上がるまでに30~40分を要したといいます。「けっこう時間をかけて描いたよ。モンゴルの人々にとって目標とする人物ですから」。納得の出来栄えのようです。例年描いているだけに「オレの絵は人気あるの?」と逆質問も。実績を積み上げてきた土俵に続き、新たな分野への挑戦も前向き。強さの源を垣間見ることができました。(おわり)