キックボクシング界の神童、那須川天心(19)が、12日のKNOCK OUT大田区総合体育館大会で、プロデビューから29連勝を達成した。メインで、現プロムエタイ協会スーパーバンタム級王者スアキム・シットソートーテーウ(22=タイ)に5回3-0の判定勝ちだった。

 スアキムは、タイではスーパーバンタム級で相手がおらず、2階級上のスーパーフェザー級でも勝ち続けているという強豪。過去最強といわれる相手と、息詰まる展開から4回終盤には左ストレートでぐらつかせた。スピードに乗った攻撃は、左右のパンチの連打に、さらにハイキックを重ねる手数の多さで、スアキムを圧倒。それ以上に、強烈なパンチを打ち込んでくる相手の攻撃を寸前でかわす高い防御が光った。

 那須川は「試合前は負けることも考えた。今までで一番強かったけど、2階級上のチャンピオンに勝ったから、ボクが最強」と胸を張った。プロデビューから29連勝は、将棋界の藤井聡太五段に並ぶ快挙。「今日の試合でちょっと成長できたと思うので、30連勝と、もっともっと勝ち続けていきたい」と話した。KNOCK OUT初の大田区総合体育館超満員4000人のファンに強さを見せつけた。