元WBC女子世界フライ級王者で、男性ボクサーとして復帰を目指す真道ゴー(35=グリーンツダ)が、プロテストを受験するための異例のスパーリングに臨んだ。

7日に所属するグリーンツダジムが大阪のKTM河本工業総合体育館(枚方市立総合体育館)で興行を開催。セミファイナルの前に約1500人の観客が見守る中、同ジムの森本元樹を相手に3分2ラウンドを披露した。観客がいるリングに上がるのは約6年ぶりで「足がガクガクして緊張しました。でもそれなりに楽しめました。こういう場を作ってもらい、いい経験ができました」と話した。

性同一性障害に悩んできた真道は17年10月に引退。性別適合手術を受けて、戸籍も男性に変えた上で、ボクシングへの情熱を失わず昨年5月にジムの本石会長に男性としての復帰を直訴し、同会長も実現に向けて精力的に動いてきた。

当初は今回の興行内でのプロテスト受験を目指していたが、日本ボクシングコミッション(JBC)からはルール規定の改正が間に合わないとして認可されず。ジムの本石会長はテスト受験を認めてもらうためのテストで、「事前評価スパーリング」として実施。JBC側はコミッションドクターに加え、外部の専門家もまじえ、リングサイドで見守った。その上で、意見などをまとめて規定改正に向けた資料として提出するといい、この日の段階では「何も言えることはありません」とした。

本石会長は「ボクシングに限らず、日本のスポーツ界全体において初めての挑戦です」と強調。JBCの規定でプロテスト受験の年齢制限は36歳。時間も限られた中だが、真道は「二転三転してきたけど、そこで沈んだりぶれたりしたらダメだと思っている。波瀾(はらん)万丈人生なんで。信じています」と強く話した。

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