WBA世界スーパーフライ級王者井岡一翔(34=志成)が初防衛に成功した。WBAの本拠地ベネズエラから来た「刺客」同級6位ホスベル・ペレス(28)の挑戦を受け7回2分44秒、KO勝ちを収めた。KO率78%を誇る強打者を撃破。プロ通算31勝目、スーパーバンタム級4団体統一王者井上尚弥(30=大橋)と並んでいた世界戦通算勝利数も22勝に伸ばして単独トップとなった。
試合後、井岡は「序盤から結構いいパンチが的確に入っていたんですけど、気持ちが強くて、パンチ力も強かったので、序盤から厳しい展開でしたけど、今回は必ず皆さんに最後まで戦う闘志をお見せしたかったので、自分もブレずにやり抜くことができました」と振り返った。
ペレスとの初防衛戦が決まったのは11月中旬。熱望していたスーパーフライ級最強と言われるWBC王者フアン・フランシスコ・エストラーダ(33=メキシコ)との統一戦交渉が進んでいたが、今回は条件面で折り合わなかった。12度目の大みそか決戦は希望通りのカードではなかったものの、井岡は「まず12回目の大みそかのリングに上がれることにとても感謝しています。その舞台があるということが自分にとっては戦う理由。リングに上がる限りは必ず勝たなければならない。次にどういう試合が待っているかわからないが、自分はこの試合を戦うと決断したので、その感謝を胸にリングに上がって、この試合に必ず勝つ」と強い決意を持ってリングに向かっていた。
11月27日の世界戦発表から大みそかまで短期間だったこともあり、師事するキューバ人のイスマエル・サラス・トレーナーとの米ラスベガス合宿は見送った。元WBOアジア・パシフィック・フライ級王者山内涼太、日本同級王者飯村樹輝弥(ともに角海老宝石)、同門となる元WBC世界同級王者比嘉大吾とのスパーリングでペレス対策を練った。その動画をサラス・トレーナーをチェックしてもらいながら最終調整。東京農大時代の先輩で、元WBA世界スーパーフェザー級王者内山高志のトレーナーを務めていた佐々木修平氏とのコンビで練ってきたペレス対策の成果が出た。
プロデビュー15周年の区切りイヤーも王者であり続ける。09年4月のプロデビューし、11年2月のWBC世界ミニマム級王座獲得を皮切りに日本男子初の4階級制覇を成し遂げた。24年のターゲットは、エストラーダとの統一戦。34歳の井岡はスーパーフライ級最強の称号を得るために戦い続ける。
【ラウンドVTR】
1回 最初に井岡がジャブをヒット。顔の前でガードを固める井岡に対し、ペレスのガードはあごの下。井岡はていねいにジャブを突きながら距離感を測る。終盤は激しい打ち合いで井岡はアッパーを連打する。井岡10-9ペレス
2回 ペレスが積極的に前へ出る。左右ボディーから強い右フックで井岡をひやりとさせる。ペレスはさらに右のオーバーハンドから左フック。防戦の井岡だが前傾姿勢でガードを固め、しっかりかわす。井岡9-10ペレス
3回 ペレスが距離を詰め、ボディーかれの連打。井岡も負けじとボディーを打ち返し、ペースをつかみ返す。さらに右のオーバーハンドを連打からのボディー攻めにペレスはいやがるそぶりを見せる。井岡10-9ペレス
4回 ペレスが出てきたところを狙い、井岡がショートカウンターをヒット。井岡がロープに詰めて連打。左ボディーを突き刺し、ペレスの腰が一瞬、折れ曲がる。井岡10-9ペレス
5回 ボディーを打たれたくないペレスはジャブを打ちながら足を使って距離を置く。井岡はプレッシャーをかけながら、距離を詰めてボディー狙い。ペレスも負けじと強いパンチを放つ。井岡はボディー攻めからカウンターの左フックでダウンを奪う。立ち上がってきたところカウンターの右ストレートで2度目のダウン。カウント中にゴングに救われる。井岡10-8ペレス
6回 井岡が強烈な右ストレートを見舞う。さらにロープに詰めてボディーへの連打。無理はせず、じわじわ圧を駆けながら追い込む。井岡10-9ペレス
7回 井岡は間合いを詰めるだけでパンチを出さず。一発逆転を狙うしかないペレスは大きなパンチを振り回す。残り30秒、井岡の右カウンターに膝をついたペレスは立ち上がれず10カウントが数えられる。KOで初防衛を飾った。
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