WBO世界フライ級6位の飯村樹輝弥(28=角海老宝石)が、世界戦の洗礼を受けた。同級王者アンソニー・オラスクアガ(27=米国/帝拳)に挑戦し、9回1分19秒レフェリーストップによるTKO負け。プロ11戦目にして初の大舞台となったが、タイトル獲得とはならなかった。
試合後は、病院に直行で会見に姿を現さなかった。
「勝てれば何でもいい」。その言葉通り序盤から果敢に攻めたが、5度目の防衛戦となった王者に的確なダメージを与えることはできず。逆に重たい一打を浴びて体力を削られた。7回に右アッパーからの左フックでダウン。9回に強烈ボディーを受けて腰を落とすと、左フックでよろめいたところでレフェリーに止められた。
願ってもない機会だった。昨年12月、左肋骨(ろっこつ)骨折のため同戦を辞退。通常は簡単には巡ってこない世界舞台だが、今年1月に再オファーが届いた。「自分は運がいい」。セコンドにもついた元ボクサー真成美夫人と二人三脚で挑んだが、壁は高かった。
日出高(現目黒日大高)-日大と名門を進み、日本王座、東洋太平洋王座と実績を積み重ねてきたが、今回の相手はレベルの違う強敵。1月初旬から調整のギアを上げるために妻子と離れ、1人暮らしで研さんを重ねた。「やります。やってきたことを出すだけ」と闘志十分だったが、不利予想を覆することはできなかった。

