読者が選ぶ「日刊バトル大賞」の女子プロレス部門MVPは、高橋奈苗(32=フリー)が初受賞した。リーグ戦で主力選手を次々と撃破し、4月には春山香代子を下してJWP無差別級王座を奪取するなど、上半期はJWPを席巻。さらに風香引退試合や愛川ゆず季デビュー戦、シュートボクシングへの参戦など、注目の集まる舞台で女子プロレスの魅力をアピールし、朝夕刊スポーツ紙や専門誌の担当記者らが選出した「プロレス大賞」でも女子プロレス大賞を受賞した。ベストタッグ賞は田村欣子&栗原あゆみ、ベストバウト賞は奈苗-風香(3月28日、後楽園ホール)、新人賞は愛川ゆず季がそれぞれ選ばれた。

 MVP受賞を聞いた奈苗は「もらえると思ってなかったし、念願だったプロレス大賞に続いて、読者投票であるこの賞をもらえたのは大きすぎる。来年からはほこりと自覚を持って、さらに加速させていきたい」と喜んだ。しかし、2位の田村とわずか1%差だったことを聞くと表情が変わった。昨年9月にNEO2冠戦で敗れた田村は31日のNEO後楽園大会で引退する。「田村選手の『張りあえる相手がいない』というコメントが悔しかった。ガツガツやる相手がほしいならここにいる。(新人時代を除けば)シングルマッチは1回だけ。負けてしまったけど、それだけで判断してほしくない」と対戦をアピールしている。残された日程では、可能性があるのは相手が未定となっている引退試合のみ。中西百重、前川久美子、サソリ、三田英津子、風香、しもうま和美(26日に引退)と引退試合に名を連ね、女子プロレス界の「おくりびと」と言われる奈苗だけに運命的だが「引退試合にこだわったわけじゃないけど、もう日にちがない。その間に自分はプロレス大賞や日刊バトル大賞をもらって、それが糧となって気持ちは強くなっている。このまま辞めてほしくはない。自分が1番になって悔しくないのか」と改めて対戦を要求。女子プロレスの顔となっても現状に満足せず、常に上を目指し続ける奈苗らしい一面を見せた。動画はこちら(http://douga.nikkansports.com/interview/interview_100996.html)。