角界に衝撃が走った。大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、10月の秋巡業中に行われた酒席で、東前頭8枚目の貴ノ岩(27=貴乃花)に暴行を加えていたことが14日、分かった。

<日馬富士の素顔>

 日馬富士の暴行事件発覚に、ファンの多くは驚いたかもしれない。巡業などで優しいファンサービスが目立ち、特に子どもや車いすの人、障がい者を見かけると自ら歩み寄る。子どもの頭をなで、車いすの人との撮影では必ず膝を折って座り、目線を合わせる。それは生まれつき難聴がある自身の一番上の兄の存在も影響しているのだろう。モンゴルの病気の子どもたちへ援助するNPO法人「ハート・セービング・プロジェクト」も支援している。

 対外的には優しさが目立つ。横綱としての責任感を感じさせる言葉、態度も多い。だが、一方で対内的には印象はガラリと変わる。

 気性が荒く、身内に特に厳しい。関係者によると若い衆を足蹴(あしげ)にし、たばこを押しつける場面も見られた。ある力士は「酒癖がすごく悪い」という。力士としては軽量だが、運動能力が高く力も強い。酔うと手が出るといい“被害者”は数多い。軽量横綱のため気持ちを強く持って戦ってきただけに、アルコールで“たが”が外れるのかもしれない。日馬富士には、そうした二面性があった。