5場所連続休場中の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)に、横綱審議委員会(横審)が寛大な見解を示した。大相撲初場所の千秋楽から一夜明けた29日、東京・両国国技館で横審の定例会が行われた。初場所で5日目までに1勝しか挙げられず、3日連続で金星を配給して途中休場した稀勢の里について、横審の北村正任委員長は「同じことがまた繰り返されるようだったら、考えないといけない」と、少なくとも“次の次”に出場する場所までは、進退はかからないと説明した。

 稀勢の里の5場所連続休場のうち、4場所は途中休場だ。北村委員長は「15日間、横綱としてきちっと務められる自信、体力的にも精神的にも『いける』という確信がなければ出てこない方がいい。治せるものは徹底的に治してから」と、3月の春場所どころか、数場所全休してでもけがの克服に専念すべきと勧めた。

 初場所中の24日に稽古を再開した稀勢の里は、その際に「次は覚悟を決めて」と、次に出場する場所に進退を懸ける思いを語っていた。横審からは1場所余分に猶予をもらった格好だ。北村委員長は「ファンが期待している力士。困難を克服してほしい。(横審委員)全員そういう感じ(の気持ち)」と、復活の期待を隠さない。再び休場やふがいない成績なら「激励」などを出す可能性もあるという。