大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)で東前頭2枚目に就いた明生(25=立浪)が新三役への思いを語った。5日、茨城・つくばみらい市での部屋での稽古後、報道陣の電話取材に応じた。春場所では2大関撃破を含む10勝5敗で、初めての敢闘賞も獲得するなど飛躍。自己最高位に並ぶ夏場所に向けて「しっかり気持ちを強く持って自分の相撲を信じて、15日間取り切れば大丈夫。まずは三役に上がりたい気持ちを強く持っています」と意気込んだ。

左上腕の負傷で昨年初場所を休場して以降、専属トレーナーをつけた効果が出ているという。「(専属トレーナーとのトレーニングを)週4回くらい、2時間くらいやっている。相撲は動きがある中でのトレーニングなので、動きを取り入れたトレーニングだったり、そういうことを意識しながらやっている。全部(相撲に)生きていると思う」。稽古熱心で知られるが、けがをするまでは土俵外でのトレーニングに頓着していなかった。「相撲を強くなるのは相撲しかないという意識ではいたので、そこの意識、考え方が少し変わった」と明かした。

11年技量審査場所が初土俵で、夏場所から11年目となる。大関復帰を果たした照ノ富士や、幕下15枚目付け出しでデビューした日体大出身の千代大龍らが同期。中学を卒業して15歳で入門した明生は「学生の人たちに負けたくないなとずっと思ってましたね」。新弟子のとき、教習所の稽古ではレベルの高いA土俵へ勝手に乗り込んでいたと振り返る。「吹っ飛ばされていた。(相手は)学生ばっかりで。何か負けたくなかったので(A土俵に)いったんですけど、全然相手になっていなかったと思います」。元来の負けず嫌いだった。

入門から丸10年がたち、三役目前の地位まで番付を上げた。「やはり三役とかそういうことより、入門したときからずっと横綱になりたくて入ってきた。簡単なことではないが、横綱にと思ってやってきて入ってきたので、ずっと思って10年たった」。高い志を持って今後も出世を目指す。

この日は平幕の豊昇龍、天空海らを相手に約20番取って汗を流した。初日まで残り4日。「上位なので厳しい戦いになると思う。しっかり勝ち越せるように強い気持ちで土俵に上がりたい」と話した。