日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)の定例会合が19日、都内で開かれ、日本相撲協会から諮問されたモンゴル出身の大関照ノ富士(29=伊勢ケ浜)の、横綱推薦について審議。満場一致で推薦することを決めた。

定例会合後、横審の矢野弘典委員長が報道陣の取材で明かしたもの。21日の臨時理事会と大相撲秋場所(9月12日初日、両国国技館)の番付編成会議を経て正式決定するが、横審に諮問した同協会内に異論はなく事実上、令和初の横綱が決まった。以下、横審委員らの照ノ富士に関するコメント。(順不同)

▼杉田亮毅委員 序二段まで落ちてからの奮闘は相撲ファンを感動させるものがある。これはモンゴル版の「おしん」だ。横綱は模範でなければならない。白鵬の力強さに学びつつ、マナーの点はまねをしないで、堂々たる横綱になって欲しい。

▼山内昌之委員 これからは横綱としての所作、振る舞い。そういう姿で、子どもたちや将来相撲を目指す人に魅力ある対象になって欲しい。個人的に言えば、大リーグのエンゼルスの大谷翔平選手のように打ち込む姿で、誰にも憧れられるようなレベルの力士、横綱になってもらいたい。応援されるのにふさわしい横綱の姿を土俵の内外で示して欲しい。

▼丹呉泰健委員 本当によく戻ってきた。品格をどのように評価するかというと、第一に相撲道に対する情熱。そして相撲に精進する気迫を高く評価させていただきました。白鵬を出して申し訳ないですけど、日本の国技である相撲ですから品格が大事。品格を師匠の指導を受けながら、いろんな方の意見を踏まえて磨いてもらいたい。

▼高村正彦委員 昇進は当然。照ノ富士の筆舌に尽くしがたい努力。高く評価している。正々堂々と今のような相撲を取ってほしい。膝のけがが悪化しない限り、安定した横綱になるのでは。

▼都倉俊一委員 照ノ富士については全員が異存ない。厳しい親方のもと、相撲美学を実践してくれる横綱になってくれると望んでいる。

▼大島宇一郎委員 序二段から復活して、2場所連続優勝を遂げての名古屋場所千秋楽の全勝対決。そのストーリーが皆さんの心を動かしたのではないか。横綱不在の場所を牽引した実績は立派。戻ってきて精神的にも成長した。今後はより横綱にふさわしい相撲を取ってほしい。横綱には大関とは異なりより求められるものがある。それを理解して大横綱になってほしい。