大相撲初場所(東京・両国国技館)を翌日に控えた8日、国技館で本場所の安全を祈願する恒例の土俵祭りが行われた。土俵祭り後には、尾車事業部長(元大関琴風)が、報道陣の電話取材に対応。同場所の注目について「ここ数場所の横綱の相撲を見てもらったら分かるように、2つも3つも頭が抜けている。間違いなく照ノ富士が優勝候補の1番手」と、2場所連続優勝を狙う横綱照ノ富士を挙げた。

一方で「照ノ富士が優勝するにしても最後までくいついていくような力士がいないと。独走はつまらない」と他力士らの奮闘も期待。中でも関脇御嶽海と、自己最高位の東前頭2枚目で臨む宇良の名前をあげた。御嶽海については「大関(昇進)にかける意気込みを発揮してもらいたい」とハッパを掛けた。宇良については「上位総当たりになる。勝ち負けは別にして、彼の存在が1枚加わると取組が面白くなる。楽しみだね」と注目が高かった。

 

新年最初の本場所がいよいよ始まるが、昨年末に木瀬部屋所属の平幕英乃海と新十両紫雷の賭博関与疑惑が浮上した。両力士は師匠の木瀬親方(元前頭肥後ノ海)の判断で初場所休場となり、尾車事業部長は「本当に残念です。こういう形で休場することは本当に残念です」と話した。

両力士は埼玉県内の違法賭博店に出入りし、賭博に関与した疑いがあるとして、埼玉県警から事情聴取を受けた。協会はコンプライアンス委員会に事実調査を委嘱済みで「これから(調査を)進めていく。また報告すると思います」と説明。他にも力士数人が店に出入りしている可能性などについては「協会には情報が全くない。正直、ドキドキしている。ないことを祈りたいです。それしか言いようがない」と話した。

全国的に新型コロナウイルスの感染拡大が進んできている中での初場所開催。尾車事業部長は「協会としてはできることは全てやり切りました。まだ厳重に注意しながらの場所になる。何とか無事に15日間終わることだけです」と切に願った。