今月1日付で新設が承認された、大相撲の中村部屋が大安の12日、旧陸奥部屋の跡地に構えた東京・墨田区の部屋で、土俵での稽古開始を前にした神事を行った。部屋や土俵の安全を祈念して、土俵脇に設けられた神棚に、金目ダイ、白菜や大根などの野菜、パイナップルやメロンなどの果実といったものを供え、東京・牛嶋神社から宮司を招いて実施。二所ノ関部屋から独立した中村親方(元関脇嘉風)、相撲教習所に通っていたため不在だった序二段加藤を除いた力士7人、呼び出しと床山各1人の計10人が参加した。
中村親方は「気持ちが引き締まった。弟子と一緒に相撲道にまい進していきたい」と、抱負を語った。3日に茨城・阿見町の二所ノ関部屋から、6階建ての旧陸奥部屋に引っ越し。2階はちゃんこ場、3階はトレーニングルーム、4階は若い衆が生活する大部屋、5階は中村親方自宅、6階は関取衆の個室という構成となった。名古屋場所(7月14日初日、ドルフィンズアリーナ)に向けて、すでにトレーニングルームで体は動かし始めているが、週明けにも土俵での稽古を開始予定だという。
「理想の部屋ができた。相撲の伝統を残しつつ、自分の形を出していきたい」と話す中村親方は、午前、午後と2部構成の稽古も視野に入れているという。多くの相撲部屋で稽古は朝に行われ、それに伴って食事は昼、夜の2度というのが慣例。中村親方は「朝食をしっかりと食べて、強い体づくりを目指す。レスリングや柔道の重量級の選手が体が締まっているのは、運動量が多いのだと思う。『中村部屋の力士は体が強い』と言われるように、トレーニングもするし、ジャンプやステップの動きも取り入れたアジリティーもやっていく。相撲を取るのも、必ずしも朝でなくてもいいと思う。みんなが目指している幕内は、本場所では午後4時以降に相撲を取るのだから。午後でもいいし、本場所中なら、取組の日の夜に相撲を取ってもいい。覚えているうちに教わった方が、力士のためになる」と力説。体づくりを重視した、ケガのない力士を育てつつ、24時間体勢で力士と向き合う考えだ。
中村親方が尾車部屋で現役だった時から付け人を務めていた、部屋頭の前頭友風は「自分が引っ張っていくというより、自分も引っ張られるぐらい、みんなで意見や考えをぶつけ合いながら頑張っていきたい。中村親方がやることに、マイナスになるようなことはない。いい部屋になっていくと思う」と、心を躍らせていた。名古屋場所を新十両で迎える嘉陽は「これから始まるんだなと楽しみ」と、日に日に環境が整い、自然と笑みをこぼしながら話していた。

