西前頭14枚目の金峰山(27=木瀬)が、初のストレート勝ち越しを決めた。6勝の前頭玉鷲を寄り切りで破り、幕内復帰場所を単独トップで折り返した。昨年九州場所の十両に続き、今場所は幕内で2連続優勝となれば、昨年春場所の前頭尊富士(25=伊勢ケ浜)以来3例目。9日目には、その尊富士との対戦が組まれた。日大の1学年下で、1敗の後輩との頂上対決を制し、後続に2差をつける。

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金峰山が威厳を見せた。1つ前の取組で勝った尊富士から力水を受け取りグビリ。一息つき、玉鷲と向き合った。鬼の形相でもろ手突き。一気に押し出しを狙ったが、反撃を食らった。「ちょっと焦った」が冷静に反応。左足を俵にかけグッと前に出ると、力強く寄り切った。初のストレート給金に「あとは全部負けてもいいや!」。笑いながらも目はギラついていた。

カザフスタン出身初の幕内力士。歴代2位の所要8場所で新入幕を果たした。195センチ、180キロと恵まれたことで「四つ相撲で勝てる」と油断し、勝ちが遠のいた。気づけば先場所は十両転落。木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)から「お前の形じゃないだろ!」と言われ続けた言葉が、ようやく胸に響いた。「調子に乗って、聞かなかった。返事しても、やらなかった」男の目の色が、変わった。

幕内に「早く戻りたい」一心で、得意の突き、押しにこだわった。長く悩まされた首痛も「四つは体がパンパンになる。突きは疲れない」とスタイル変化で良化。十両優勝につなげた。

返り入幕を無敗で折り返し、尊富士と初顔合わせ。「後輩と久しぶりにやれる」と待ちわびた。相手は昨年の初場所で十両、春場所で幕内を制した。1914年の両国以来110年ぶり2人目の十両&幕内連続優勝だった。1年たたずの3人目となってみせる。学生時代は「勝ったり負けたり」と相性は五分。“先輩”に勝ち、偉業を達成する。

先場所は、頂点も素直に喜べなかった。今場所では「大勝ちしたい。12、13勝くらい」と高みを見る。白星を積み重ね、堂々歓喜に酔いしれる。【飯岡大暉】

★金峰山に敗れて2敗目の玉鷲 立ち合いで踏み込めていないし、残っても腰が高かった。脇も甘かった。(相手は)力があるし、勝って乗っていた。負けたくなかったけど失敗が負けにつながった。悔しいっ!

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