大相撲初場所を12勝3敗で並んだ優勝決定ともえ戦を制し、横綱昇進を事実上決めた大関豊昇龍(25=立浪)が、早くも“大物ぶり”を発揮した。

東京・墨田区の部屋で行われた一夜明け会見に「すんません、寝てました」と定刻から約10分、遅刻。千秋楽で「1日三番」の死闘を制した反動という。日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会(横審)は、全会一致で豊昇龍を横綱に推挙すると発表。29日の臨時理事会をへて、正式に「第74代横綱豊昇龍」が誕生する。

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照れ笑いでごまかすしかなかった。第74代横綱を確実にした豊昇龍は、午前10時に設定された一夜明け会見を10分以上、遅刻した。

「すいません、寝てました。全身が痛い。(15日間は)本当に大変でした。疲れが限界を超えている」

初場所千秋楽は金峰山を1差で追う展開で、12勝3敗の星で並んだ優勝決定ともえ戦を制した。「1日三番」。肉体的、精神的疲労は極限でたまらず「寝坊」した。それを笑い飛ばせるのも大物の証しだった。

「(相撲界に)入門してからの夢」という番付最上位を手中にした15日間を「やりきったなと思う」。9日目までに平幕相手に3敗と優勝争いから脱落しかけたが、10日目から踏ん張った。単独トップで千秋楽を迎えた金峰山が負けて初めて手にできる優勝のチャンス。運と実力で乗り越えた末に手にした賜杯を「抑えることができないぐらいうれしかった」と表現した。

おじの元横綱朝青龍からは「まだ連絡はありません」と言う。角界に入門した当初「横綱といえば、おじさんだった」。それが変わった。「この世界に入って横綱ってこういうものなんだと」。地位の重みを実感した。その番付最上位に自身が名を刻む。

29日に開催される理事会で正式に横綱昇進が決まる。伝達式の口上も「まだまだ。正式に決まってからですね。これからイメージしていく」と笑顔で話し「もっと強くなりたい。わくわくして来場所に臨みます」。新横綱で迎える春場所(3月9日初日、エディオンアリーナ大阪)へ。21年7月に昇進した照ノ富士以来、約4年ぶりに誕生する第74代の新横綱が浪速に春を告げる。【実藤健一】