豊昇龍(25=立浪)が横綱初白星を挙げた。64年春場所の栃ノ海以来、61年ぶりの新横綱の初日からの連敗は免れた。
初日は「まあ、ちょっと失敗した」という立ち合いから、小結の阿炎の突き放しに何もできず、2秒で突き出された。「ま、しょうがないんで。明日から切り替えていきたい」と取組後は言い聞かせるように話していた。
2日目も優勝経験がある相撲巧者の若隆景が相手と難敵が続いた。最近は2連勝も幕内での対戦成績は5勝6敗と負け越していた。その厳しい取組を制し、ようやくひと息ついた。
優勝した先場所千秋楽に痛めた右肘には、分厚いサポーターが包む。「痛い痛いと言い訳にしたら意味がない。みんな何かしらの痛みを抱えている」と弱音はいっさいシャットアウトした。不安材料を抱え、横綱としての重圧とも闘う土俵が続く。
番付会見では「何があっても、負けても休まない。横綱のプレッシャーとか、すべて体で感じたい。だから何があっても休場しない」と異例の宣言をした。それだけ綱の責務を背負った強い思いがある。
初日前日には「わくわくしているけれど、怖いのは怖い。でもやるしかない」と心境を表現した。角界の番付最高峰に君臨する横綱の重みを肌で感じながらの土俵。1日遅れた最初の1歩を豊昇龍は力強く踏み出した。

